ともにはぐくむ家づくり
「環境共生型住宅」
先日、備前市の『環境共生型住宅』のコンペに応募いたしましたが、残念ながら落選。
結果は、津山市の建築家の岸本泰三さんに決定。
彼の建築は、隙がないほど美しく完成されているので、くやしいけれど納得。

まあ、結果は結果として、この『環境共生型住宅』の内容の話をいたします。

これは、家から排出されるCo2を削減しつつ、建設、居住、建替えのライフサイクル
を通じて環境負荷が少なく、なおかつ、快適な暮らしを実現しよう。
という21世紀型のエコハウスです。

太陽光発電や太陽熱温水器、ペレット利用のボイラー、地熱換気システム
高度処理型の合併浄化槽でトイレや庭の水まき等の中水利用。バイオ式生ゴミコンポスト。
建物に使われる材木は、岡山県産材。
地域で育った木材を利用する事は、運搬時のCo2の排出が削減されると共に、
地域社会が循環していく事にもつながります。
そして「自立循環型住宅」の手法を取り入れることで、快適さと省エネを同時に満たす住宅としていきます。

このエコハウス建築でポイントとなるのが「地域性」と「省エネ性」

岡山県は晴れの国といわれるほどで
無尽蔵にふりそそぐ太陽からの恵みを使わない手はありません

太陽光発電は補助金も復活して、注目の設備です。
(残念ながら岡山県の補助金は、予算枠が完了してしまいました)
とはいえ、太陽光発電はまだまだ高価な設備です。
普及→低価格化が期待されますが
できれば低価格化を先行して進めてほしいものです。

同じく、太陽を利用した太陽熱温水器。
とてもシンプルな構造で、価格も適度。パッシブな設備として是非採用したいものです。

ペレットボイラー、ペレットストーブ
灯油の高騰で注目されてきました。
「ペレット」は木くずや間伐材などを利用してつくられます
木を燃やすとCo2を出しますが、木は成長の過程でCo2を吸収しています。なので、Co2の排出量はプラスマイナスゼロと見なされます(カーボンニュートラル)。こうした木質ペレット燃料をエネルギーとして利用することで森林保全と温暖化防止に大きく貢献することになります。
薪ストーブや暖炉は、煙突のメンテナンスが大変だったり、薪の調達が困難だったりしますが、それに比べてペレットストーブは管理が楽な上、炎が見えるので、温かさと雰囲気を同時に満たしてくれます。

地熱利用については
メリットはありますが、私としては空気質のこと、シロアリの被害を防ぐ家の構造
という観点から、積極的に採用したいとは思っていません。
熱の利用という点からは、太陽からの日射をうまく取り入れることと
取り入れた熱を効率よく蓄熱できる建物構造。
この考え方がもっともパッシブな方法だと思っています。

中水利用は、高度処理型浄化槽まではなかなか採用できませんが
雨水を庭の水まきに利用するくらいは、標準で考えておきたいものです。

バイオ式生ゴミコンポストは
小型のものや、自作のコンポストなどはお手軽ですので
ゴミを減らしつつ、家庭菜園などの肥料づくりに、どこのお宅でもすぐに採用してみてほしいものです。
22:49 / 環境 / comments(0) / trackbacks(0)
創造−笑顔の未来へ−
第18回 日本臨床環境医学会学術集会
同時開催:第54回日本産業衛生学会・アレルギー免疫毒性研究会


が、山陽新聞社ビル1階のさん太ホールにて
7月3・4日と開催されています。

今日は、1日目のプログラムの一般口演4題と
特別講演、事例セッション5題、シンポジウム3題が行われました。
免疫系の研究をされている、全国からの医療関係者や一般市民の活動など
化学物質過敏に付随した内容や、電磁波にかかわる事なども多く
とても勉強になる内容のものでした。

明日も引き続き、一般口演が行われます。
そして、午後からは市民公開講座も開催されますので、興味のある方はご参加ください。

また、内容や感想などをご報告いたしますね

22:45 / 環境 / comments(0) / trackbacks(0)
自立循環型住宅研究会 第5回フォーラム
以前第4回のフォーラムについて書きましたが、今回はそれに引き続き
『自立循環研版 温熱環境を解く』の実務編の解説と『改正省エネ法について』や
今年冬の測定事例の発表とワークショップが行われました。

毎回家の温熱環境と省エネ性を実測に基づき参加者達が事例発表して
それをワークショップで検討し、課題を見つけ、改良し建物に反映して
また実測するという事を繰り返してきました。

会の発足当時、主宰の野池政宏氏が「実測」の大切さを説いて居られましたが、
当時の私はここまで得るものがあることにピンと来ていなかったので、
「何を目指しているのですか」と聞いて、野池氏を落胆させてしまったことがあります。
この会に参加したきっかけは、野池氏が自然を愛する家づくりに真剣に取り組まれている
ことに共感してのことでした。

自立循環型住宅研究会のメンバー達は「省エネ×快適となる住まい」を本当に真剣に考えている人の集まりで、それも野池氏を慕って集まる人たちだけあって、自然を愛する感性を
もつ人たちの集まりです。

今回、野池氏が次に目指そうと旗揚げしたのは『パッシブを真剣に考える』

『パッシブ』とは、直訳すると『受身』という事になるのですが
建築的に『パッシブ』という言葉を使う場合は
自然エネルギーをなるべく機械に頼らないで取り入れていくという意味に使われます。

自然に添っての住まい方が、技術の進歩によって自然を無視し、征服したかのように変化
してきた今日。

『パッシブな家づくり』
やはり私はこの考え方の方が好きです。
この研究会で、知り得たとことや感じ取れたものを最大限活かしながら
家づくりに活かして行きたいと思います。
18:01 / 環境 / comments(0) / trackbacks(0)
森林医学
先日、「森は緑に、木は健康に」〜医療と建築の融合〜と題する市民公開講座に行ってきた。

講演内容は
「ストレスと森林医学」森本兼曩(大阪大学医学部環境医学教授)
「森林環境が生体の免疫機能を高める」李卿(日本医科大学衛生学公衆衛生学講師)
「木造保育園での健康実例紹介」藤野輝久(三重県おおとり保育園、野町保育園園長)
「健康増進室内環境」大槻剛巳(川崎医科大学衛生学教室教授)

森本教授は、ライフスタイルと健康度との関係を医学的知見から述べられた後
森林環境の医学的作用について、精神神経免疫内分泌学的な観点から最新の
研究実証例を紹介された。
最近の脳科学の進歩は目覚しく、森林の写真を見せた場合に、脳の快適野
(快適さを感じた場合に活性化する部位)の活性化とストレスホルモンの低下
が報告されているという。
病室窓外に自然の景色が見える病室では、術後の回復も早いらしい。
森林・山中環境での生活では、ストレスホルモンは抑制される。
これらの知見から、健康寿命の延伸、QOL(クオリティー・オブ・ライフ=生活の質)
の高い生き様の達成を目標として、森林医学実践の展望を考えてみたいとのことである。

李講師は、森林浴の効果を実験した結果を報告された。
2泊3日の森林浴で、人NK(ナチュラル・キラー)細胞数、NK細胞内の
抗がんタンパク質の増加により、人NK活性が上昇。
さらに、その効果は1ヶ月くらい持続するとのこと。
また、森林浴により尿中のストレスホルモンアドレナリンを低下させ、
精神的ストレスを低減させ、「うつ」状態の改善にも有効であるとのこと。

藤野園長は、おおとり保育園の建設にあたり、子供たちの居場所として
何が大切かを考えた時に、木造園舎にしようと決断されたとのこと。
とても印象深かったのが「建物が大切なのか、子供が大切なのか」という言葉。
傷の付きにくい、硬い木にしようとしていたけれど
それよりも優先されるべきは、子供達に健康をもたらす効果のある材。
その価値観から見たら、柔らかさや断熱性の高い国産の杉材だった。

大槻教授は、アスベスト問題、シックハウス症候群、化学物質過敏症などの研究から、
室内環境を研究され、住環境やその空気質を健康にとって、マイナス面を取除くという
立場から、さらに進めて、健康を増進させるものの開発へと研究を進めておられる。
いわゆる「マイナスイオン」は実証されていない疑似科学用語だとWikipediaにもある。
そこで医学の立場から、厳密に室内空気質の微細粒子の荷電がマイナスになっている
もののみを残す環境をつくり、「マイナス荷電粒子優位の空気環境による生体影響」
の実験を進めているとのこと。

医学者達によるこうした研究によって、人にとってよりよい環境がどういうものなのかが
ひとつひとつ、科学的に解明されているようだ。
あいまいなものは、時に根拠もなく健康ブームを巻き起こす。
私も、設計者という技術者として、きちんと見定めていかなくてはいけない。
23:23 / 環境 / comments(0) / trackbacks(0)
温熱環境を解く
一昨日、自立循環型住宅研究会のセミナーに京都に行ってきた。
主宰は「チルチンびと」や「住む」で自然素材や断熱、シロアリのことなどを執筆している
野池政宏氏
建築家ではない彼が、科学者の目で自然素材の家づくり
健康に住まう家について長年研究をしてこられた。
その彼が、最近特に、というか、ものすごいエネルギーを注いでいることが『省エネ×快適』
人にとって、よりよい住まいの環境を突き詰めていくと、『環境』・『省エネ』に行き着くことは
至極まともで、自然な事と共感できる。

「自立循環型住宅」を実務的に設計に生かしていくために
今までに、全国から集まる研究会のメンバー達が、夏と冬の温湿度測定、
環境家計簿などのデータを収集し発表、検討を重ねてきた。
第4回となる今回は「温熱環境を解く」と題して、人間に快適をもたらす
室内環境の基本的事項を振り返り、ポイントを押さえた。
また、「夏を涼しくすごすための住まい方ガイド」を発表し、
さらに推敲していくための意見交換が行われた。

メンバーたちによる、実測、発表は、結果が生の声で伝わるので
設計に生かしていく上で、非常に参考になるし、とても刺激あるセミナーだ。

今回、少し見えてきたものがある。
突き詰めていこうとすると、夏と冬の快適性には、相反する要素が多くあること。
また、夏の中でも、断熱と蓄熱という相反する要素が存在する。
そうした、さまざまな要素をいかにバランスをとって解決していくか。

夏と冬で室内環境を家全体、均質に快適するには省エネ・コストを考えなければ簡単である。
これは今までの家づくりの考え方。
けれど、この研究会が目指すのは、「快適×省エネ」
解決のために、省エネを犠牲にしないためには
住まい方の工夫も必要になるということが見えてきた。
ただ、そこに何らかの不自由を強いるものになってしまっては面白くない。

そんな思いを持ち帰った。

そして、昨日は建築士会女性部会の研修旅行で犬島に行ってきた。
犬島アートプロジェクトの第1期として、三分一博志氏の建築と柳幸典氏のアートワーク
そして、岡山大学環境理工学部による「建築・現代アート・環境」のコラボレーション

創りだされた風の流れが、アートと共に体と感性に訴えかける。
闇と太陽。
銅の精錬時の副産物であるカラミレンガやスラグの漆黒と
島の産物の花崗岩の淡い桜色が織り成すコントラスト。
また、それらは蓄熱材として、地中に埋められた建物に地中熱と蓄熱をもたらす。
精錬所として機能した10年ばかりの時の記憶
島民ガイドの幼い日の思い出の語りと共にめぐるツアーは
人の営みと、建築、アートが環境の中で生かさている事を感じるものになった。

この2日間の出来事は、不思議なつながりを持って、私の心に刻まれた。
21:35 / 環境 / comments(0) / trackbacks(0)
環境のはなし
石油の値上げ、どこまでいくんでしょうかね。
私はなるべく車に乗らないようにすることで以前より払うガソリン代は下がりましたが、
そんなどころではない方が多くおられますよね。

今回の原油価格の高騰についてちょっと環境の面から考えて見ました。

今、社会は環境問題に大きく取組む必要があります。みんなそれぞれに小さな取り組みからはじめておられると思いますが、個人レベルでの取組みには限界があります。あまり無理しすぎると長続きしないですよね。また、そうしない人に対して不快に感じたりとか。それってHappyじゃないですよね。

原油の高騰により、石油にかかわる商品が値上がりしてくるでしょう。
消費者のニーズという市場原理が働いて、なかなかエコの方向にシフトできなかったことが、価格に反映されてしまうとなればおのずと消費者の側から意識が変わってきます。
なるべく石油に頼らないで成り立つ方向へシフトしていく努力が、多方面で検討されていくのではないでしょうか。
環境問題からCo2の削減をとなえるよりも、価格高騰からのアプローチの方が、ことは早そうです。
また、私達が日頃気がつかないうちに環境に負荷をかけてしまっている社会構造の現状がはっきりとわかってくるはずです。
本当のエコって何だろうをしっかりと見つめていくきっかけになってくれることを望みます。

安くて、便利な社会から環境にやさしい、人に優しい社会構造に変換していく。
地球が「そろそろみんなで考えないと本当にやばいよ」と、私たちに教えてくれているように思えます。

家づくりについても同じようなことが言えます。
均質で狂いのない材料、安くて便利の追求。売れる家。消費される家。
ふと気がつけば何か、どこかおかしい。

今なら間に合う。今からきちんと考えていく。
そんな家づくりをしっかりとサポートしていきたいと思います。
21:52 / 環境 / comments(2) / trackbacks(0)
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